PSY・S : Wondering Up and Down 〜水のマージナル〜

この曲は本当にステキです。日本のポップ・ミュージックのなかでも珠玉の1曲と言い切ってしまっても過言ではないのではないかと思います。

それだけでは足りないのでもう少し書いていきましょう。

PSY・S : TWO HEARTS

PSY・S : TWO HEARTS

この曲が発表された1989年といえば、世の中は「バンドブーム」の最中で、当時中学生から高校生にかけての年代の人は少なからずその影響を受けているのではないかと思うのですが、テレビを観るという習慣が殆ど無かった僕にとっては不思議なくらいにこのブームをスルーしていて、その代わりにFM放送から流れてくる様々なジャンルの曲からコレはと思うものを片っ端からエアチェックをしていました。ちょうど、J-WAVEが開局をした頃ともリンクをしています。

そんな訳で、クラスメイトが聴いていた音楽とは全然違うものを好んで聴いていた不思議な少年だったわけですが、この時期に出会ったのがPSY・Sでした。チャカさんの、宇宙まで飛んでいくのではないかと思うくらい真っ直ぐな歌唱力と、松浦雅也さんの、フェアライトCMを駆使した打ち込みの心地良いサウンドは、あっという間に自分の心を掴んでしまいました。

世の中で流行っていたものとは全く違うオリジナリティに富んだ音が聴こえてくるというのは、「流行りモノになんか乗っからないよ」という少々ひねくれた自分の性格にとってはしっくりと来たのかもしれません。

そんな中でこの曲です。

タイトルの通り、「水」を巡る様々な情景描写が叙情的に描かれていて、それをチャカさんが丁寧に歌い込んでいます。

初夏から夏の季節にかけて、誰もがどこかで出会った経験のあるような、でもそれは現実の経験ではなくて夢のなかでの経験であるかのような世界であるがゆえに、聴き手の想像力が、より広がって、その景色に心を打たれるような、そんな気持ちがストレートに迫ってくるような感触を、初めて聴いた時から感じました。

そしてメロディに乗ってくる日本語の響きがとても綺麗なのです。それは単純に歌詞としてというよりも、言葉としてという方が正しいのかもしれません。きっと、仮にこのメロディがなかったとしても詩のひとつひとつがリズミカルに心のなかに響いてくると思うのですが、ここに複雑で叙情的なコードとメロディが乗ってくるので、より一層響くものがあるというか。

オリジナルは5枚目のアルバムである「ATLAS」に収録されています。これはこれで意味があるのですが、個人的には1991年にリリースされた1枚目のベストアルバムである「TWO HEARTS」で、様々な曲の世界をたどった最後にこの曲を聴くのがとても好きです。

vlayusuke について

Violaを弾く。千葉県の東の端の方にある街のオーケストラで活動中。 好きな街は、Berlin、München、Wien、Barcelona、福岡、神戸、芦屋、金沢、横浜。
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