春の音楽茶話会@MFYサロン

私にはViolaの師匠が、事実上3人います。大学オケではViolinパートのトレーナーとしてご指導いただいた傍ら、個人レッスンではViolaの稽古をつけてくださっていた、日本フィルハーモニー交響楽団のViola奏者であった新井豊治先生。日本フィルハーモニー交響楽団、群馬交響楽団で活躍されてきた畏れ多い存在でありながら、大学オケ時代にはベートヴェン 交響曲第9番 ニ短調 作品125を演奏することになった際に、個人レッスンを引き受けてくださったり、様々な形で強い後押しをしてくさだった、故・滝沢達也先生。東京都交響楽団で活躍され、大学オケではViolaパートのトレーナーとしてご指導いただき、プライベートでも交流をさせていただいているI先生。

一介の下手の横好きなViola弾きにはとてもじゃないけど勿体なさすぎる方々に支えられて、今でもなんやかんやとViolaを引き続けています。

3師匠のうち、新井豊治先生は「音楽茶話会」と題したアンサンブルコンサートを四半期に1回、根津美術館の側にあるMFYサロンで開催しており、何度か聴かせていただいているのですが、今回はJ.S.Bachのゴールドベルク変奏曲を全曲演奏されるということで、これは聴きにいかないわけにはいかないぞ、ということで、聴きにいってきました。

J.S.Bachの膨大な楽曲の中で、変奏曲と呼ばれているものは非常に限られている、という程度の知識は持っていますが、ゴールドベルク変奏曲も、そういえばそういう名称がついているんだな、と思い出した程度で、その背景となっている部分については全く知りませんでした。

音楽茶話会での演奏風景

音楽茶話会での演奏風景

音楽茶話会は、楽曲が作られた背景や曲の構造を新井先生が解説してくださり、その後に演奏をするというスタイルです。その中で、ゴールドベルク変奏曲がどのような背景で作られ、どのような構成になっているのかを説明してくださるのですが、この変奏曲の構成の緻密さ、フーガの形式が31曲の中でどのように変化していくのか、逆行フーガの意味、初めて耳にすることが多くて勉強になるばかり。J.S.Bachの楽曲の中に幾何学的だったり、数学的な要素が多分に含まれているなという印象は、彼のオルガン曲を中心に聴きこんでいく中でそのような印象を強く持っていたのですが、今回の解説を通じて、構成の緻密さがよくわかりました。

そしていざ演奏に入るわけです。今回は、現在日本フィルハーモニー交響楽団で活躍されている、Violinの九鬼明子先生、Violoncelloの伊堂寺聡先生、そして新井先生のトリオでの演奏です。変奏される通奏低音のヴァリエーションの上で、曲ごとに全く異なる主題が演奏されるという展開の豊かさに加えて、通常であれば不協和音に該当する主題の重なりが何故か調和して聴こえるという不思議さ。もちろん、分析すれば調和する理由は分かるのでしょうが、とにかく耳に心地よいわけです。3曲ごとに出現するフーガの存在が、聴くものを飽きさせません。全曲演奏すると1時間に渡るので、時間としては一般的な交響曲よりも長いのですが、様々な曲のヴァリエーションを楽しんでいるうちに、1時間があっという間に経過してしまいました。やっぱりJ.S.Bachってすごい。

新井先生のViolaの音色だけでなく、腕の動かし方や姿勢についてもじっくりと見させていただきました。最近自分が楽器を弾くときの姿勢のおかしさがどうも気になっていて、それをなんとか直したくて腕の動きについては修正をかけているところなので、構え方、Up Bowになるときの腕の動きなど、特に注意して拝見しました。そして思ったのは、うーん、ViolaってG線とC線がしっかり響いて初めてViolaらしい響きが出るんだなということ。実際楽器を鳴らすのって大変なわけですけれども、この下の2線をしっかり慣らしていくことができるように精進しなくては、と思ったのでした。

大学オケの先輩や後輩とも顔をあわせることができる貴重な機会でもあったりして、新井先生と僕らとを繋ぐ大切な糸の存在でもあり、また普段はなかなか聴くことのできない弦楽アンサンブルをじっくり堪能できる機会でもあるので、これからも都合のつく限り、聴きにいこうと思います。

 

vlayusuke について

Violaを弾く。千葉県の東の端の方にある街のオーケストラで活動中。 好きな街は、Berlin、München、Wien、Barcelona、福岡、神戸、芦屋、金沢、横浜。
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