rei harakami : わすれもの

rei harakamiさんの残した作品はどれも印象深いものばかりなのですが、まさか最後のオリジナルアルバムのタイトルが「わすれもの」になってしまうとは、harakamiさん好きには思いもよらなかったのではないかと思います。僕もその一人です。

rei harakami : わすれもの

rei harakami : わすれもの

この作品は、harakamiさんがメジャーデビュー以前からコツコツと作ってきた、未発表曲を中心に収録しているもので、1曲目の「にじぞう」が当時の新曲であった以外は、全てが旧作になり、その制作年もそれぞれ明かされています。10曲目の「さようなら」が一番古くて、高校3年の時に制作されたものだそうです。

下手をするとこういうタイプの旧作を収録したアルバムは、下手をすると「寄せ集め感」が出てしまいかねないこともあるのですが、そんな感じを微塵も感じさせてくれないのは、「Opa*q」の時にも書きましたが、harakamiさんの一貫した世界観というものが殆どブレることなく継続されてきていたからなのかもしれません。もうこれはエレクトロニカというジャンルではなくて、rei harakamiという暖簾がかかっているような感じですかね。

それからこのアルバムを通じて感じるのは、シンセサイザーという楽器が、人の使いようや音色の料理のしかた、メロディの構成によって、こんなにも暖かでふくよかな感じになるのだなぁということ。なんというか、手触りが柔らかで優しいのです。だから聴きこめば聴きこんでいくほどに心に馴染んでいって優しい気持ちになれ、それぞれのテーマごとに、どこか自分が経験してきた何かしらの思い出をぼんやりと想像できてしまうような、そんな気持ちになってしまいます。

個人的に一番好きなのは8曲目の「おむかえ」です。短いメロディの断片で構成された世界に、どこか郷愁を感じさせてくれるのです。

harakamiさんはこのアルバムの解説の中で、

これで、過去の作品と気持ち良く決別出来るかなっていう気持ちもあったりなかったり。

ということを書かれているのですが、まさかこの5年後に、この世界からも決別してしまうとは、ご本人も想像していなかったのではないでしょうか。その足跡がオリジナリティ溢れるものだっただけに、この作品にこれからも多くの人が足を止めて触れてもらえるといいなぁと、いちファンとしては思います。

vlayusuke について

Violaを弾く。千葉県の東の端の方にある街のオーケストラで活動中。 好きな街は、Berlin、München、Wien、Barcelona、福岡、神戸、芦屋、金沢、横浜。
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