rei harakami : Opa*q

rei harakamiさんの手によるこのアルバムがリリースされたのは、1999年ですから、今から14年も前になってしまいます。

rei harakamiさんの作品は後期の3作、「Red Curb」「わすれもの」「lust」を本当に何度も聴き込んでいて、音色をちょっと聴いただけでもこれはharakamiさんの音だ! くらいになってしまっているのですが、初期の作品にはなかなか手を付けられていませんでした。

rei harakami Opa*q

rei harakami Opa*q

で、ようやくこの「Opa*q」を手始めに初期の作品を聴き始めたのですが、「まいったなぁもう」というのが正直な感想だったりします。

それはどこから来ているのかというと、まず根っこの部分で音色のつくり方や表現のしかたが一貫していること。確かにこれは、harakamiさんがRolandのSC-88Proというシンセサイザーをずっと使い続けていたからこそなし得ることなのかもしれませんが、そういう物理的な事情以前に、harakamiさんの世界観としてそういう音色や表現が自分の音楽にふさわしいと思っていた揺るぎなさゆえの一貫性なんでしょうね、きっと。「Glimglim」を聴いていると、特に揺るぎない世界観を貫き通しているんだなぁということを強く感じます。

その世界観の上で、あえていろいろと実験的な取り組みを、まるで自由に遊ぶかのように実現してみせたという点がとてもおもしろいです。「Double Flat」という曲や「Triple Flat」という曲では、世間で考えられているharakamiさんの音の世界からはちょっと突出したサンプリング音の使い方をしていますし、「300ml (Milk)」ではどことなくダブのような香りも漂ってきます。いずれも、後期の作品の中ではあまり出てくることのない世界です。

そんな、揺るぎないものと実験的なものとが、なぜだかよくわからないけれども違和感なくきちんと両立しているあたり、「まいったなぁ」という気持ちにさせられてしまうのかもしれません。

なので、yanokami等の活動を通じて知名度が広がってから聴き始めた人にとっては、このアルバムの曲達はかなり新鮮に聴こえると思います。

それにしても、14年も前の作品で新鮮な驚きを提供してくれるところからして、やはり惜しい方を亡くしてしまったんだなぁということを思わず感じてしまうのでした。

vlayusuke について

Violaを弾く。千葉県の東の端の方にある街のオーケストラで活動中。 好きな街は、Berlin、München、Wien、Barcelona、福岡、神戸、芦屋、金沢、横浜。
カテゴリー: 未分類 タグ: , パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください