Trip. Music Trip Architecture Blog

2003-09-22 Barcelona

その建物へのアプローチには2通りの方法がある。ひとつはAvingda Diagonalを東へ向けて15分歩く方法、もうひとつはPasseig de Graciaから地下鉄5号線に乗っていく方法。僕たちは友人Oさんの体験談に従い、当たり前のようにPasseig de Graciaの駅で切符を買い、地下鉄5号線に乗り込んだ。

地下鉄の出口を登りきると、その建物は突如として巨大かつ荘厳な姿を僕たちの前に見せてくれた。Sagra da Familla。

出口から道を挟んだ反対にある公園へと足を運び、しばしの間「御生誕の正面」を見つめ続ける。その複雑に入り組んだ造形の集合体にみとれ、なのに何故か懐かしいような感覚を感じてみたりとものすごく複雑な気持ちに駆られる。背後では今ものっぽなクレーンがゆっくりと動き回り、その建物が今なお成長を続けていることを実感させてくれる。

気を取り直してチケット売り場から「御生誕の正面」の真下へ。多種多様なモチーフの洪水。波を打つ柱やウミガメをかたどった基壇の細工。そのどれもが実写的で、時には少々グロテスクな印象さえ受けかねないのだが、そのグロテスクさまでもどことなく心地よくなってしまうような。何故かその立ち姿にわけもわからずとても惹かれていた尖塔中央部の木々に停まる鳩の姿が白く、強く記憶の中に刻まれる。巻貝のような螺旋階段の見上げ、ステンドグラスの青さ、内陣の力強い木のモチーフ、「御受難の正面」上部のキリスト像、教会学校の波打つファサード。これまでに見たことのない豊かな「かたち」の連続。

ともすると大げさな表現になってしまうのかもしれないが、とにかくその空間が与えてくれた衝撃というものは、写真や文献で触れているものよりも遥かに強く心に突き刺さる。そのことを改めて、身を以て実感したのだった。そしてさらに成長したその姿を見る機会がもしも与えられることがあるのであれば、絶対に訪れてみたい場所のひとつになったのは言うまでもない。

夕食後、カタルーニャ広場で友人Mさんと待ち合わせて「TARANTOS」でフラメンコ鑑賞。あの歌声とリズムと踊りの激しさは、「血」だからこそなせる技なのだろうか?観賞後は周辺を散策して再びカタルーニャ広場へ。ここで東京での再会を約束してMさんと別れる。

ホテルに戻り、興奮を鎮めようと寝静まりかけたロビーでコーヒーを飲んでいたところ、バーカウンターの方から男性に声をかけられ、彼の息子さんと4人でシャンパンを空け、しばし歓談する。相手はスコットランドから来た建築士親子で、やはり建築物を見学するためにバルセロナまでやってきたとのこと。お互いの旅程や、時には日本語講座、京都の町の美しさなどを話しながら夜は更けていく。こんな出会いも嬉しいものである。

やがて日付が変わり、東京へと戻る日がやってきた。