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■ Baumschlenweg Krematorium (ベルリン・バウムシュレンウィグの葬祭場)

□ Impression

ドイツ・ベルリン市東部の郊外に建つ葬祭場です。

日本的なイメージで考えると、墓地も含めて葬儀に関する諸施設というのは、とかく日常生活の場からは隔絶された場として考えられているようで、葬祭のときや彼岸など、特定の時期を除いてはあまり近寄ることをためらわれるような存在になっているのですが、どうやらヨーロッパでは日常の隣にあるような感覚でとらえられているようです。そんな墓地の一角に、この葬祭場は立地しています。

内部に入ってみてやはり一番惹かれるのはメインホールに、森の木立のように林立するコンクリート柱群と、その上方にくりぬかれたトップライト、そして外部に向かって力強く広がる巨大なキャノピーにあります。トップライトから差し込んでくる光はコンクリート柱が緩衝剤となり、ホール床面に対して柔らかく光線を落としています。メインホール内部に存在するものと言えば、いくつかのベンチと、中央部に聖水をたたえた小さな池が存在している程度で、あとはコンクリート柱で曖昧に区切られた空間が広がっているだけなのですが、その場が「生」というものをあまり感じさせず、精神的な静寂感を感じさせてくれます。

メインホールに隣接して、大小あわせて3箇所のチャペルが併設されており、恐らくチャペルで最後の礼拝が行われてから遺体が荼毘に付されるのでしょう。このチャペルはルーバー付きの大きな窓を通して外部と接しているために非常に明るく、水色に塗装された椅子の雰囲気と相まってどことなく爽やかさえ感じさせてくれます。

こんな葬儀空間だったら気持ちよく旅立つことができるのだろうな、と不謹慎ながらも感じさせてくれるような、死というものにつきまといがちな暗い影を感じさせない、気持ちのよい空間でした。前述のように人間の死に対する考え方の異なる日本においても、この葬祭場で具現されている空間構成を、ディテールの一部に活かすことができるのではないかとも感じました。

□ Photo

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■1. メインアプローチからの眺め。(拡大)
■2. メインホール、林立するコンクリート柱-1。(拡大)
■3. メインホール、林立するコンクリート柱-2。(拡大)
■4. メインホールから外部を臨む。(拡大)

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■5. メインホール中央、聖水のたたえられた池。(拡大)
■6. 礼拝堂-1。(拡大)
■7. 礼拝堂-2。(拡大)
■8. 礼拝堂上部のルーバー。(拡大)

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■9. メインホール入口。(拡大)
■10. 空に向かうキャノピー。(拡大)
■11. 東側ファサードを南から。(拡大)
■12. 3本の煙突。(拡大)

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■13. 東側ファサードを北から。(拡大)
■14. S-bahnのBaumschlenweg駅。(拡大)

見学日:2005-10-12

所在地:Kiefholzstraße 221, Berlin-Treptow, Deutschland
用途:葬祭場
構造:鉄筋コンクリート造、ラーメン構造
設計:Axel Schultes + Cherlotte Frank

□ How to Go

ベルリンの中心からは南東の郊外に位置します(通常、観光ガイド等には載っていない地域です)。電車で行く場合は、Zoologischer Garten, Firedrichstraße, Hauptbahnhof, Alexanderplatz, Ostbahnhofなどの主要駅からS3、S5、S7、S75系統の東行き電車に乗ってOstkreuzで乗り換え、S8、S85系統のGrünau、Zeuthen行きに乗り、いずれもBaumschlenwegで下車します。

駅を出たらBaumschulenstr.を左方向に歩いていくとKiefholtzstrとの交差点にぶつかるのでそこを左折します。石材屋さんの前を通り、橋を渡って暫く歩いていくと右手にKrematoriumの入口が見えてきます。

バスを使う場合は、S-bahnのS41、S42、S8、S85、S9系統が停車するTreptower Parkから166番のバスに乗り、Krematorium Baumschulenwigで下車します。

上記情報は2005年10月現在のS-bahn路線図を元に記しています。S-bahnの運行系統は中央駅開業の影響で変更が生じているので、最新の路線図をS-bahn Berlinから取り寄せてください。